「タイムカードを定時で切った後、店長の指示で棚卸しや清掃を毎日2〜3時間やっていました。「これは店の管理者として当然の仕事」と言われて。2年間で残業代が払われたのは0円でした」
— Xさん(30歳・男性)・小売業(スーパーマーケット)
食品の仕事がしたくて入ったスーパー——使い捨てられた2年間
食品関係の仕事を希望していたXさんはスーパーマーケットの正社員に就職した。「店を一から知りたい」という意欲で、雑用も含めて積極的に取り組んだ。
問題は、その「積極性」が管理職になってから悪用されたことだった。
閉店後2〜3時間の無給労働が「当然」の職場
係長に昇進した後、「管理職には残業代は出ない」という説明を受けた。しかしXさんは労働基準法上、係長は管理職に該当しないことを知らなかった。
「「管理職だから残業代はない」——この一言で2年間、毎日2〜3時間タダ働きした。月に換算すると50〜90時間分の残業代が消えていた」
退職を申し出ると「係長を辞めてもらう」と言われ、降格を盾に引き留められた。
「名ばかり管理職」の違法性を知った日
「名ばかり管理職 残業代 違法」と検索して、自分の状況が「名ばかり管理職問題」に当たることを知った。退職代行に相談した翌日に依頼した。
「名ばかり管理職」として、2年分の残業代が返ってきた
退職代行と弁護士の交渉により、名ばかり管理職として未払い残業代の請求が認められ、約65万円が振り込まれた。
現在Xさんは別の食品メーカーで品質管理職として働いている。「本当の管理職は、残業代の代わりにちゃんとした権限と待遇がある。あれは違法だった」
Xさんからのメッセージ
「「係長・主任だから残業代は出ない」という会社の説明は、多くの場合違法です。経営への実質的な権限がなければ、あなたは管理職ではありません」
